醤油を選ぶとき、何を基準に選んでいますか?味?値段?量?どれも正解です。パッケージからはあまり違いがわかりませんが、原材料名から分かることがあります。今日は原材料に注目した選び方をお勧めしたいと思います。
醤油の原材料って?大豆、小麦、塩だけじゃない?
醤油の風味を左右する重要な要素の一つが、原材料です。一般的に、醤油の原材料は「大豆」「小麦」「塩」の3つが挙げられますが、実はこれ以外にも様々なものが使用されています。
大豆
醤油の旨味やコクの源となる重要な成分です。丸大豆を使用したものと、脱脂加工大豆を使用したものがあります。丸大豆は風味豊かですが、製造に時間がかかります。一方、脱脂加工大豆は製造時間が短く、コストを抑えられるのが特徴です。
ちなみに脱脂加工大豆は、大豆から有機溶媒(原油を原料とした、物質を溶かす液体)を使って油分を取り除いたものです。「丸大豆使用」と書いていない限り、脱脂加工大豆が使われていることが殆どです。

小麦
小麦のデンプンは麹菌の酵素によってブドウ糖に分解され、醤油に甘みを与える役割を担います(大豆はデンプンを殆ど含みませんので、小麦は甘味を付与する役割をするとも言えます)。また、小麦の種類や製法によって、醤油の風味は大きく変化します。
塩 醤油の塩味を決めるのはもちろん、有害な微生物の繁殖を防ぐ役割も担います。
原材料表示の見方
醤油のパッケージには、必ず原材料名が記載されています。原材料名の順序は、含有量の多いものから順に表示されるのが一般的です。原材料表示をよく確認することで、自分が使おうとしている醤油に何がはいっているのかが分かりますよ。
ちなみにこちらはあるメーカーさんの刺身醤油ですが、一番多く入っているのは「アミノ酸液」です。次が、「大豆」で「小麦」「食塩」「砂糖」「果糖ぶどう糖液/カラメル色素」と続きます。
一見、普通の醤油に見えますが、恐らく皆さんがイメージした醤油とは違うのではないでしょうか。

醤油の製造方法で味が変わるって本当?
醤油の製造方法は大きく分けて、本醸造、天然醸造、化学調味料を使ったものなどがあります。それぞれの製法によって、醤油の風味や栄養価が大きく異なります。
本醸造醤油
大豆、小麦、塩を原料に、麹菌と乳酸菌を用いてじっくりと発酵・熟成させた醤油です。旨味やコクが深く、風味豊かです。天然醸造醤油
原料である大豆と小麦を、麹菌をはじめとする微生物の力のみで醗酵・熟成させて醸造した本醸造しょうゆのうち、醸造を促進するための酵素や食品添加物を使用しないものを指します。化学調味料を使った醤油
アミノ酸液や核酸系調味料などを加えて作られた醤油です。製造コストが安く、大量生産に向いています。
天然醸造や本醸造の醤油は3番目の化学調味料を使った醤油と一線を画したいので(?)、パッケージに分かりやすく「本醸造」「天然醸造」と書いてあります。
選ぶ際の参考にしてみて下さいね。
醤油に添加物が入っているのはなぜ?
醤油には、甘味料、保存料などの添加物が含まれていることがあります。これらの添加物は、醤油の風味を調整したり、品質を保持したりする役割を果たしています。
甘味料 醤油に甘みを加え、風味をまろやかにする役割があります。
保存料 醤油の腐敗を防ぎ、品質を保持する役割があります。
添加物と聞くと、体に悪そうなイメージを持つ人もいるかもしれません。安全性で言うと、食品添加物には厳しい基準が設けられており、安全性が確認されたものしか使用できないことになっています。そうは言っても、余計な添加物を体に入れれば、代謝するエネルギーをそこに使うことになりますので、添加物入りのものはお勧めいたしません。
醤油選びのまとめ
醤油を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてみてください。
何より、原材料で選んでください。「大豆」「小麦」「塩」以外のものが入っていないものが良いです(アルコールは製造工程で発生する、品質の安定のために入れることもあるので、あまり気にされなくて良いと思います)。
「砂糖」「果糖ぶどう糖液」「カラメル色素(わざわざ色を付けている)」「アミノ酸」「ステビア」などが入っている物は避けた方が良いでしょう。醤油本来の味にはない味です。
原材料が「大豆」「小麦」「塩」に限定すると、少々高くなりますが、少し高くても、1回の使用量にすれば高級な醤油でも十数円です。
さらにこだわるのであれば、「丸大豆」の物を選んで頂くと、「脱脂大豆」の醤油よりも風味が楽しめると思います。
余談ですが、天然醸造の醤油で「脱脂大豆」をつかった醤油を見たことがありません。原料の確認が面倒であれば、天然醸造と書いたものを選ぶと良いでしょう。(本醸造には、脱脂大豆が結構使われています)
更にもう1つ。醤油も生鮮食品と思って、あまり大容量のものは買わず、開封したら早めに使い切りましょう。醤油も酸素や光、熱の影響を受けて変質します!
まとめ:醤油選びのポイント
醤油選びは、料理の味を大きく左右する重要な要素です。原材料、製造方法、添加物など、様々な視点から醤油を選ぶことで、より美味しい料理を作ることができます。ぜひ、ご自身のお好みの美味しい醤油を見つけてみてください。
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